ボリューム

ボリュームは、システムが接続ホストに提示する論理ディスクです。

アプリケーション・サーバーは、MDisk またはドライブではなく、ボリュームにアクセスします。ボリュームが従属する MDisk が使用不可になった場合であっても、そのボリュームをアクセス可能に保つために、選択したボリュームにミラーリングされたコピーを追加できます。各ボリュームに対して、最大 2 つのコピーを作成できます。それぞれのボリューム・コピーは、プール内の一連のエクステントから作成されます。

システム上でサポートおよび構成されるトポロジーのタイプに応じて、さまざまなタイプのボリュームを作成できます。すべてのシステムが、単一サイト構成の標準トポロジーをサポートしています。単一サイト構成を使用するシステムの場合、基本ボリューム、ミラーリング・ボリューム、またはカスタム・ボリュームを作成することができます。複数サイト構成でもある HyperSwap® トポロジーの場合、基本ボリューム、HyperSwap ボリューム、またはカスタム・ボリュームを作成できます。システムは、ボリューム上の容量を節約するために、シン・プロビジョニングをサポートします。

ボリュームを所有権グループに割り当てることができます。所有権グループ は、システム内のユーザーとオブジェクトのサブセットを定義します。所有権グループで定義されている特定のリソースへのアクセスをさらに制限するために所有権グループを作成することができます。セキュリティー管理者の役割のユーザーのみが所有権グループを構成して管理することができます。

  • ボリュームは、ボリュームとそのコピーの容量を提供する子プールの所有権グループを継承します。バックアップ・シナリオに合わせて、ボリューム・コピーをさまざまな所有権グループに作成できます。ただし、この値は、所有権グループで定義されていないユーザーによって意図的に設定されている必要があります。ボリューム・コピーの作成時またはその他のプールへのマイグレーション時に、管理 GUI で、さまざまな所有権グループで定義されている子プールを指定できます。これにより、不整合所有権が設定されます。コマンド・ライン・インターフェースでボリューム・コピーを作成したりボリュームをマイグレーションしたりする場合は、不整合所有権グループを許容するために、-inconsistentownershipgroup を使用してください。 ただし、異なる所有権グループにボリュームまたはボリューム・コピーを残すことは推奨されません。マイグレーション後、セキュリティー管理者の役割を持つユーザーは、すべてのボリュームまたはコピーが、アクセスを必要とするユーザーと同じ所有者グループ内にあることを確認する必要があります。
  • ボリューム・グループでは、ボリューム・グループとそのボリュームは別々の所有権グループに属することができます。ただし、ボリューム・グループの所有権が、その中のボリュームの所有権に影響を与えることはありません。

タイプ

各ボリューム・コピーは、以下のタイプのいずれかになります。
ストライプ
ストライピングされたボリューム・コピーは、エクステント・レベルにあります。ストレージ・プールにある各 MDisk から、1 つずつ順次にエクステントが割り振られます。例えば、10 の MDisk をもつストレージ・プールは、 それぞれの MDisk から、エクステントを 1 つずつとります。11 番目のエクステントは最初の MDisk から割り振られ、以下も同様です。この手順はラウンドロビンと呼ばれ、RAID-0 ストライピングに類似しています。

ストライプ・セットとして使用する MDisk のリストを指定することもできます。このリストには、ストレージ・プールからの複数の MDisk を入れることができます。指定されたストライプ・セットにわたって、ラウンドロビン手順が使用されます。

重要: デフォルトでは、ストライピングされたボリューム・コピーは、 ストレージ・プール内のすべての MDisk にわたってストライピングされています。ある MDisk が他のものより小さい場合、より小さい MDisk 上のエクステントは、 より大きい MDisk のエクステントがすべて使われる前に使い尽くされてしまいます。この場合、手動でストライプ・セットを指定すると、 結果として、ボリューム・コピーが作成されない可能性があります。
ストライプ・ボリューム・コピーを作成するために使用可能な容量が十分にあるかどうかが不確かな場合には、 以下のオプションのうちいずれか 1 つを選択してください。
  • lsfreeextents コマンドを使用して、ストレージ・プール内の各 MDisk 上の使用可能な容量をチェックしてください。
  • 特定のストライプ・セットを指定しないことによって、システムに自動的にボリューム・コピーを作成させます。

この図は、3 つの MDisk を持つストレージ・プールの例を示します。この図はまた、ストレージ・プール内で使用可能なエクステントから作成された、ストライプ・ボリューム・コピーを示しています。

図 1. ストレージ・プール および ボリューム
この図は、3 つの MDisk を持つストレージ・プールを示しています。
順次
エクステントが選択されると、 選択された MDisk に連続するフリー・エクステントが十分にあれば、 ボリューム・コピーを作成するために、1 つの MDisk 上に順次にエクステントが割り振られます。
イメージ
イメージ・モードのボリュームは、1 つの MDisk と直接的な関係をもつ特別なボリュームです。クラスター化システムにマージしたいデータが入っている MDisk がある場合は、イメージ・モードのボリュームを作成することができます。イメージ・モードのボリュームを作成するときは、MDisk 上にあるエクステントと、ボリューム上にあるエクステントの間に直接マッピングが行われます。MDisk は仮想化されません。MDisk 上の論理ブロック・アドレス (LBA) x は、ボリューム上の LBA x と同じです。

イメージ・モードのボリューム・コピーを作成するときに、 それをストレージ・プールに割り当てる必要があります。イメージ・モードのボリューム・コピーは、サイズが少なくとも 1 エクステントでなければなりません。イメージ・モード・ボリューム・コピーの最小のサイズは、 それが割り当てられているストレージ・プールのエクステント・サイズです。

エクステントは、他のボリューム・コピーの場合と同じ方法で管理されます。エクステントが作成されている場合は、データへのアクセスを失うことなくストレージ・プール内にある他の MDisk にデータを移動することができます。1 つ以上のエクステントを移動した後、ボリューム・コピーは仮想化されたディスクになり、MDisk のモードは、イメージから管理対象に変わります。

重要: 管理対象モードの MDisk をストレージ・プールに追加する場合、MDisk 上のデータはすべて失われます。ストレージ・プールへの MDisk の追加を開始する前に、必ず、データが入っている MDisk からイメージ・モードのボリュームを作成するようにしてください。

既存データが入っている MDisk の初期モードは非管理であるので、クラスター化システムは、そこに区画またはデータが入っているかどうか判別できません。

ボリューム・コピーの作成のために、より高度なエクステントの割り振りポリシーを使用することができます。ストライプ・ボリュームを作成すると、 ストライプ・セットとして使用される MDisk のリストに同じ MDisk を 2 回以上指定することができます。すべての MDisk が同じ容量ではないストレージ・プールがある場合に、この割り振りは有用です。例えば、18 GB の MDisk が 2 つと、36 GB MDisk が 2 つあるストレージ・プールがある場合、 ユーザーは、ストレージの 3 分の 2 が 36 GB ディスクから割り振られるようにするために、 それぞれの 36 GB MDisk をストライプ・セットで 2 回指定して、ストライピングされたボリューム・コピーを作成することができます。

ボリュームを削除すると、ボリューム上のデータへのアクセスは破棄されます。ボリューム内で使用済みになったエクステントは、ストレージ・プールにあるフリー・エクステントのプールに戻されます。ボリュームがまだホストにマップされている場合は、 削除は失敗します。また、ボリュームがまだ FlashCopy®、 メトロ・ミラー、またはグローバル・ミラーのマッピングの一部である場合でも、削除が失敗することがあります。削除に失敗した場合は、強制削除フラグを指定して、ボリュームおよび関連したホストへのマッピングの両方を削除することができます。強制削除をすると、コピー・サービスの関係とマッピングが削除されます。

状態

次の表では、ボリュームに考えられるさまざまな状態の説明を示します。

表 1. ボリュームの状態
状態 説明
オンライン 入出力グループの両方のノードがボリュームにアクセスできる場合、 ボリュームの少なくとも 1 つの同期コピーがオンラインであり、使用可能です。単一のノードがボリュームと関連付けられたストレージ・プール内のすべての MDisk にアクセスできる場合は、その単一ノードは、1 つのボリュームだけにアクセスできます。
オフライン 入出力グループの両方のノードが欠落している場合、または入出力グループ内の存在するノードがどれもボリュームの同期コピーにアクセスできない場合は、ボリュームはオフラインであり、使用不能です。同期化されていないメトロ・ミラー関係またはグローバル・ミラー関係の 2 次ボリュームの場合、そのボリュームもオフラインになることがあります。ユーザーが、使用可能なディスク・スペースを超える量のデータを書き込もうとした場合、シン・プロビジョニング・ボリュームはオフラインになります。
劣化 入出力グループ内の一方のノードがオンラインで、 他方のノードが欠落しているか、ボリュームの同期コピーにアクセスできない場合、ボリュームの状況は劣化です。
注: ボリュームが劣化しており、関連するすべてのノードおよび MDisk がオンラインである場合は、サポート・センターに連絡して支援を受けてください。
削除中 データ削減プール内のシン・プロビジョニング・ボリューム・コピーまたは圧縮ボリューム・コピーの場合、「削除中」状況はコピーを削除していることを示します。削除操作が完了するまでは、すべてのボリューム・コピー (完全割り振りコピーを含む) にアクセスできません。さらに、いくつかの操作は、すべてのコピーが削除されるまで開始することができません。1 つのボリューム・コピーの削除を処理中の場合、以下のコマンドは制限されます。
  • expandvdisksize
  • migratevdisk
  • rmvdiskcopy
  • rmvolumecopy
  • shrinkvdisksize
  • splitvdiskcopy

キャッシュ・モード

キャッシュ・モードを指定して、読み取り/書き込み操作をキャッシュに保管するかどうかを選択できます。ボリュームを作成する場合はキャッシュ・モードを指定することができます。ボリュームを作成した後で、キャッシュ・モードを変更できます。

次の表では、ボリュームのキャッシュ・モードのタイプを説明しています。

表 2. ボリュームのキャッシュ・モード
キャッシュ・モード 説明
readwrite ボリュームで実行されるすべての読み取り/書き込み入出力操作は、キャッシュに保管されます。これはすべてのボリュームで、デフォルトのキャッシュ・モードです。データ削減プールから作成されたボリュームまたはボリューム・コピーでは、キャッシュ・モードが readwrite でなければなりません。データ削減プールからシン・プロビジョニング・ボリューム・コピーまたは圧縮ボリューム・コピーを作成する場合、キャッシュ・モードが readwrite でないと操作が失敗します。
readonly ボリュームで実行されるすべての読み取り入出力操作は、キャッシュに保管されます。
none ボリュームで実行されるすべての読み取り/書き込み入出力操作は、キャッシュに保管されません。